テレビのデジタル化がはらむジレンマ / デジタルマーケティング10【4月5週】

1週間の業界のトピックをおさらいする「デジタルマーケティング10」。手早くチェックを済ませたら、どうぞいいGWをお過ごしください。

今週は米テレビ業界の動きに注目する。米テレビ事業者はデバイスごとのコンテンツ視聴を統合して、広告枠の価格に反映しようと考えている。そのための各デバイスをまたいだ測定の提供をめぐり、ニールセンとコムスコアが競争している。また、番組あたりのテレビCMの枠数を増やしてきた傾向を、減らすことで、視聴者の体験の向上と価格上昇を狙うことが、名物番組で試みられた。

米テレビ事業者はコンテンツ制作・権利ビジネスの拡充や、Netflixなどに依存しない独自の動画配信サービスの開始など、さまざまな事業構造の改革を進めているものの、既存事業と新規事業がぶつかるという伝統的な問題が尾を引いている。

多角化したテレビ事業者であるコムキャストは端的な例だ。同社は6月、インターネット通信事業で利用上限を現状の3倍に当たる1000GB(月)まで引き上げる方針だ。シェア拡大を目指す動きだが、消費者によるNetflix、YouTubeの利用を促進しかねず、傘下の米最大テレビネットワークNBCUや、ケーブルテレビ事業の圧迫要因になりうるという、複雑さを抱える。どの組み合わせが長期的な利益にかなうのか、「実験」が続いているのだ。

1. 米ニューステレビチャンネルCNNがコムスコアとクロスメディア測定サービス「Xmedia」で契約へ。CNNはテレビ、デスクトップ、モバイルで1億7400万人の視聴者がいると説明している(Adexchager)

2. 大手テレビネットワーク、NBCは名物番組「サタデーナイトライブ」の広告枠30%をカット。番組中に差しこむCM中断を2回減らすという(Adage)

3. コムキャストは映画制作会社ドリームワークス・アニメーションを30億ドル(約3300億円)超で買収する交渉を進めている。ドリームワークスは「カンフーパンダ」「シュレック」などを制作(WSJ)

4. タイム・ワーナー傘下のタイム・クラシック・ムービーは今秋、独自の映画ファン向け動画配信サービス「FilmStruck」をローンチ予定。「7人の侍」「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」など高齢者層中心のライナップ。(TCM)

5. YouTubeはスキップ不可の6秒プレロール広告をローンチ(TNW)

6. 米ヤフーは27日、物言う株主(アクティビスト)で知られるヘッジファンド、米スターボード・バリューのジェフリー・スミス最高経営責任者(CEO)を含む4人を、取締役会に受け入れると発表した(日本経済新聞)

7. インスタグラムの米国の広告主のうち、45%がスタートアップとの調査が出た。45%の企業は1年以内にベンチャーキャピタルから出資を受けているという(アドウィーク)

8. Facebookの第1四半期決算は広告事業の伸びが顕著。売上高は前年同期比52%増の54億ドル超(約6000億円)。月間アクティブユーザーが16億5000万人(Facebook)

9. 欧米の検索エンジン最適化(SEO)専門家の49%が、Googleのモバイル高速化プロジェクト「AMP(アンプ)」が検索順位に影響を与えると予測。報告書は「先駆者利益あり」(link-assistant)

10. 米全国紙「USAトゥデー」を発行する新聞大手ガネットは25日、「ロサンゼルス・タイムズ」などを運営するトリビューン・パブリッシングに対し、総額8億1500万ドル(約900億円)の買収案を提示(時事通信)

*来週の「デジタルマーケティング10」(5/6)は休みます。良い連休をお過ごしください。

Written by 吉田拓史
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