自前のソーシャルネットで、社内交流を促すエージェンシー:世界10カ所展開するCP+Bのやり方

クリスピン・ポーター+ボガスキー・スタッファーズ(CP+B)の従業員は、自らの仕事の成果を常にソーシャルネットワークでシェアせざるを得ない性分になっている。

しかし、そのプラットフォームは、Facebookやインスタグラム、Snapchat(スナップチャット)などではない。自社内ソーシャルネットワーク「Yo-Now(ヨゥーナウ)」においてだ。

Yo-Now(ちなみに一瞬だけ有名になったソーシャル「Yo[ヨゥ]」とは関係はない)は、コロラド州ボルダーから北京まで広がる10カ所のグローバルオフィスを越えて、社内コミュニケーションを促進し、従業員のエンゲージメントを向上させるために開発された。リアルタイムの内輪向けプラットフォームによって、彼らの企業文化とコミュニケーションを育むとともに「製作者文化(Maker culture)」に意識を向けることが目的となっている。

「Yo-Now」の活用方法

スタッフ同士がeメールでのカジュアルな挨拶に「Yo」と言い合うことから妙名された、Yo-Nowにポストするには、yo-now@cpbgroup.comにメールを送る仕組みになっている。そこで添付ファイルがスキャンされ、アップロードされて3秒以内に世界中のオフィスの巨大スクリーンへ表示される。

コンセプト、アイデア提案、画像、ビデオ、落書きからGIF画像と、さまざまなものを送付ができる。従業員が自由にカジュアルにシェアできるように、クライアントはこのネットワークに参加していない。そしてプラットフォームには直近30個の投稿しか表示されないことになっている。Snapchatとインスタグラムが合体してFacebookのライブ動画と合わさったものが、エージェンシー内部のコミュニケーションに使われていると考えれば良いだろう。投稿することが禁止されている唯一の内容は、日が沈む光景の写真だという。

「スタッフがほかのスタッフと常にエンゲージできて、かつネットワーク自体を人間味あふれるものにする手段を我々は探していた。日々の生活のあらゆることに対して瞬間的にフィードバックを受け取ることに、我々はすっかり慣れてしまっている。そんな世界において、(このプラットフォームは)仕事や成果をほかのスタッフに伝えると同時に、同じようなこと(瞬間的な反応の受け取り)を行うことができるのだ」と語るのは、CP+Bのボルダー支社で最高クリエイティブ責任者を務めるラルフ・ワトソン氏だ。

できるだけ小規模に開発

同じくボルダー支社のバイスプレジデント、かつグループ・エグゼクティブ・プロデューサーのジェシー・ジョーンズ氏によると、操作をシームレスにするため、アプリを作ることは、あえてしなかったという。フレンド申請をしたり、誰かを見つけたりフォローする必要はない。7人編成の社内のチームによって2カ月間で作られ、2016年の10月にローンチされた。

「エントリーのための障壁をとにかく減らしたかった。そのため既存のITインフラをそのまま利用した。常に更新されてアップデートされないといけないアプリとは違い、これだとメンテナンスは非常に小さいもので問題ない」と、ジョーンズ氏は説明する。

広告エージェンシーネットワークにおいて、社内コミュニケーションとコラボレーションは、常に存在する課題だ。近年はいくつかのブランドやエージェンシーが社内のソーシャルネットワークで、その問題を克服しようと試みている。Slackを利用するところもあれば、自前のネットワークを構築するところもある。レノボや広告エージェンシー、ポッシブル(Possible)がそうだ。Yo-Nowもスタッフ内での競争を促しながら、同じ課題に取り組んでいるわけだ。

「(Yo-Now)は人々をつなげることに成功している。誰が良い仕事を行っているのか展示することができるほとんどリーダーボードのようになっていて、健全な競争が増えた」と、ワトソン氏は言う。

Tanya Dua(原文 / 訳:塚本 紺)