生産性向上、エージェンシー幹部たちが実践してること:「メールを送らない」「会議時間は25分・55分単位で」

誰しもが時間に追われている。「忙しくしろ」という呪文にかかっているかのようだ。ハースト(Hearst)の最高コンテンツ責任者であるジョアナ・コールズ氏はなんとテレビを2倍速で見てランニングマシーンの上でもヒールを履く

スラック(Slack)のコマンドやGoogle ドキュメント、オープンカレンダー、会議を補佐するAIにコネクテッドオフィスといったツールは、仕事における無駄時間を削ってくれるが、エージェンシーたちはそこからさらに毎日の業務を効率化するための手法を探し求めている。

「組織全体にこういった効率化ハックに対する渇望がないといけない。仕事の80%は終わらないとしても、こういったことを取り入れようとすること自体がマクロレベルでビジネスを改善するんだ」と語るのは、ウィー・アー・ソーシャル(We Are Social)のイノベーションディレクターであるトム・オラートン氏だ。

英DIGIDAYでは、エージェンシーのエグゼクティブたちに、仕事の内外で行なっている生産性を上げるためのハックを教えてもらった。

会議時間を25分・55分に設定

アンディ・マコーミック氏:エッセンス(Essence)、マーケティング・ビジネス開発責任者
デフォルトのミーティングの長さを30分と60分ではなくて25分と55分にしている。それによって30分や60分という区切りよりも前にミーティング室を退室することになる。次のミーティング開始が遅れるのを防ぐことができる。

Siriをアシスタントにする

ソル・ガーフォアー氏:パブリシス(Publicis) UK、ソーシャル責任者
Siriにリマインダを通知させるように言うんだ。「Siri、明日午前9時に例の件のクリエイティ・ブリーフを書くようにリマインドしてくれ」という具合に。あとタスクマネージメントアプリ「シングス(Things)」を使って、Siri経由で入ったタスクを全部インポートして、重要度ごとに並べ、その日一番重要な3つのタスクを表示させている。あとはよく寝ること。

自分のやり方を推し進める

サム・コニフ氏:リヴィティ(Livity)の共同ファウンダー
クリエイティビティをオーバードライブにして、インスピレーションをトップギアまで持って行くこと、そして1日に1冊の本を読む。そうしたら生産性は飛び抜けて向上される。(アプリの)「ブリンキスト(Blinkist)」を使うと、どんな本でも7分で読める(もしくは聴ける)ようにしてくれる。私のアプローチは「(人の意見を聞いたり、承認を求めるのではなく)誰かが向こうから言ってこない限りは自分で進める」という形をとっている。ただ意見を述べて存在をアピールするだけの何千ものeメールの山で良いアイデアを殺してしまうのではなく、自分の意図を述べて、締め切りを設定して、「誰かが向こうから何か言ってこない限り」は自分のやりたいことをやり遂げる、というものだ。あらゆる人をブロックしてしまうんだ。あらゆる人ってのは本当に皆のことだ。最後まで自分の頭で考えるということをせず、中途半端なアイデアについて「何か意見ありますか?」なんて責任感の無い、人の時間を吸い取るバンパイアみたいなeメールで承認をもらおうとするような人は絶対にブロックしないといけない。「ブロックして、削除して、報告する」だ。

1時間早く起きる

ニック・ファーンヒル氏:ポーク(Poke)共同ファウンダー
シンプルにそれだけ。

ポモドーロテクニックを活用

トム・オラートン氏:ウィー・アー・ソーシャル(We Are Social)、イノベーション・ディレクター
ポッドキャストを2倍か2倍のスピードで再生すること。最初は変な感じがするけれど、すぐに慣れる。どれだけ時間を節約したか教えてくれるアプリとシンクロさせても良い。昔、ウチのオフィスにはラップトップを置いて、デスクで作業をしながら走れるランニングマシーンを置いてあった。あと私はポモドーロテクニックを使っている。25分働いて、5分休憩するというものだ、それをGoogleカレンダーとシンクロさせている。でもオープンカレンダーだから、パッと見はひどいデザインのウェブサイトみたいに見える。

情報を適切に取得する

アビ・モリッシュ氏:MEC、デジタル・エンゲージメント責任者
Facebookのメッセンジャーを通してテッククランチ(TechCrunch)のトレンディングストーリーが毎日届くようになっている。iPhoneのホームスクリーンにアイコンが散らばるのを整理して、フォルダーを活用してすごく整頓された状態にしている。私たちは電話を見ている時間がすごい長い。電話が整頓されていれば、頭も整頓される! 電車で移動するときはテッドトーク(Ted Talks)を見る。自分の成長に役に立つ、かつ具体的なトピックについて知る時間の過ごし方としてはすごく良い。それとSpotifyのムードプレイリストを良く聴く。特に集中を促すプレイリスト。音楽は決定的に大事。

eメールを送らない

シャロン・ブラウン氏:ハバス・メディア・グループ(Havas Media Group)
いまの時代だと、これはすごくアンチテックに聞こえるかもしれないけれど、生産性を上げる一番の方法はeメールを送らないこと。デスクに座って同僚に質問をメールで送ることは簡単だけど、すぐに返答なんて返ってこない。最近では(ハバスは所有する英国エージェンシーをひとつのオフィスに統合した)インターネット前の仕事がどんな感じだったかを思い出している。同じ階の別オフィスに行って質問を実際に人に尋ねることがそのひとつ。反応がすぐに返ってくるだけじゃなくて、関連したフォローアップの質問もできて、メールで質問していたら、かかっていただろう30分くらいのやりとりを節約することができる。

難しい問題から片付ける

ダン・アーチャー氏:383、マーケティング・ディレクター
一番難しい問題に最初に取り組むこと。後回しにして遅れをとるまえに、大きい問題に最初に取り組むこと。後回しにしていると効率も悪く、さらに大きい問題を最終的に生むことになってしまう。たとえば緊急のタスクがさらに緊急性が高くなってしまい、解決するのが難しくなってしまうとかだ。

運動と会議の効率化

ビアンカ・ベスト氏:360i、エグゼクティブ・ディレクター
毎日どこかの段階で5マイル走ることにしている。それによって毎日、仕事場の蛍光灯から一時的に離れることができる。考えをまとめて、反省して、エネルギーを集めて、仕事に戻ることで出る前よりも生産性が高く戻ることができる。適切な休憩をとって、できれば運動をすることを私は、自分のチームにもはっきりと勧めている。あとはRASCI(仕事の割り振りを決めるためのフレームワーク)。360iではあらゆるアウトルック(Outlook)ミーティングの招待状を送るときは、ミーティングの目的とRASCIを明記することを義務にしている。それによってミーティング参加者のそれぞれの役割がはっきりするからだ。誰もがミーティングの理由と、何をしないといけないかを分かっている。これによって不必要なミーティング参加が減り、集中と生産性をさらによくすることができた。

考えごとは歩きながら

ニック・ループ氏:ポーク(Poke)、エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター兼共同ファウンダー
私はウォーキングをする。私は歩いている方が考え事がしやすい。テクノロジーは一切使わず、ケミカルも必要ない、自然な心拍数の増加と視界の変化でADD(注意欠陥)を取り除くんだ。

Lucinda Southern (原文 / 訳:塚本 紺)