就活としてボット制作、自己PRを自動化したコピーライター

チャットボットはエージェンシー大人気だ。そこに注目したエリザベス・ニーヴス氏は、自身でチャットボットを制作し、念願のエージェンシーに就職するべく奮闘している。

ニーヴス氏は元アカウント・エグゼクティブ、デジタル・プロデューサーという経歴をもつ26歳だ。最近シカゴに引っ越し、コピーライティングの仕事への転向を希望している。しかし、広告クリエイティブの仕事を獲得するのは難しい。就職プロセスの電話越しに何度も何度も同じことを繰り返し説明するのは、予想以上に疲れる作業でもある。そこで、彼女が制作を決意したのが「エリを雇ってボット(HireEliBot)」だ。Facebookメッセンジャー上で機能するチャットボットで、端的に言うと、ニーヴス氏を推薦するボットとなっている。

「私にはコピーライティングの経験も無ければ、仕事につながるコネクションもなかった。だから私はイノベーティブにならざるを得なかった。素晴らしいアイデアを思いつけば、完成度を高く実現することはでき、自分に注目してもらう助けになることは分かっていた」と、ニーヴス氏は語る。

HireEliBotにできること

ユーザーが「開始する」ボタンをクリックすると会話がはじめられる。ボットはリクルーターにニーヴス氏の写真を見せて挨拶をし、彼女について知りたいか、それとも先にボットが考えた冗談を聞きたいかを尋ねてくる。ボットのさまざまな機能やボタンがニーヴス氏の経歴や生い立ちなどについて、採用担当が知りたいと思うだろうことは何でも教えてくれるのだ。

たとえば、「エリザベスについてもっと知る」ボタンを押すと、(もしくは右にスワイプして進むこともできる)彼女の出身校やこれまでの勤務先などについて知ることができる。ユーザーはまた、ボットを使って、彼女のポートフォリオを見ることもできる。彼女にeメールや電話でコンタクトを取るオプションも、ボット内に組み込まれている。希望すればボットは、なんと彼女宛のeメールを書くことすらしてくれる。

就職先はまだ決まっていないものの、デジタス(Digitas)を含めた複数のエージェンシーのクリエイティブたちがボットにアクセスをし、彼女にメールを送ってきたという。

広告業界に職を得るため

彼女のもうひとつの狙いは、ボットを使うことでコーディングといった技術職に女性が就けていないという状況に挑戦することだった。しかし機械的で面白みのないものにはしたくなかったという。ボットの開発とテストには1カ月かかった。

「いかにもボットのような話し方ではなくて、自分の性格を反映させたかった。もしクリエイティビティを楽しめるのであれば、それを使って目立てる」と、彼女は語る。

広告業界で目立つというのは簡単なことではない。広告クリエイティブ志望の人数が、ここ数年で急増しており、彼らの多くは目立つために大胆な仕掛けを使ってきている。去年、新卒のエリック・セナ氏が自身のスナップチャット・ジオフィルターを制作し、サンディエゴのエージェンシーをターゲットにそれを使って就職活動をしたのはその一例だ。

ニーヴス氏のボットの目的は、エージェンシー側にアクションを起こしてもらうこと、彼らにニーヴス氏にコンタクトを取ってもらうことだ。しかし、注目を獲得するためには、これ以上のことをしなくてはいけないと、彼女は理解している。彼女はボットへのリンクをラピス(Lapiz)、レオ・ブルネット・シカゴ(Leo Burnett Chicago)、DDBシカゴといった、彼女が希望するシカゴのエージェンシーたちに送っている。

「最終目標はコピーライティングの仕事を獲得すること」と、彼女は述べた。

Tanya Dua(原文 / 訳:塚本 紺)
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