Google AMP、エージェンシーが改善を望む 3つのポイント

Googleが「AMP(アンプ:Accelerated Mobile Page)」で進めているモバイルウェブ高速化プロジェクトは、これまでのところ、パブリッシャーだけを対象としてきた。だが、Googleはそれに飽きたらない。去る7月19日(米時間)、今度はそこに、マーケターたちを巻き込んでいきたいと考え、より読み込みの早い軽量な広告を作成できる、「AMP for ads」(A4A)を公開した

デジタル広告はここ数年で非常にリッチなものになった一方で、重くなり、ページの読み込みが遅くなってしまったというジレンマがある。これこそまさに、アドブロックの台頭を引き起こした元凶といえるだろう。Googleのサイト検索で、平均的なモバイルサイトを表示するのには、19秒もかかるのだから。

メディアエージェンシーも広告エージェンシーも、Googleの新ツール公開のニュースをモバイル広告の創造性を「次のステップへ進める」ものとして歓迎している。しかし、これを有効に活用するためにはいくつか条件がありそうだ。Google AMPを利用して広告を展開する際に解決してほしいと、エージェンシーが願っている3つの要素を紹介しよう。

モバイル広告の表示速度を調整するのは難しい

たとえGoogleであったとしても、何かをはじめることと、その規模を拡大していくこととは別問題だ。大手パブリッシャーの過半数がすでにすべてのページにAMPのコードを採り入れているが、動きが早くなったページもあれば、それほど早くはならないページもあり、まったく採り入れていないページもまだ存在する。

エッセンス(Essence)のプランニングおよびモバイル担当シニアディレクター、リーアム・プーク氏は次のように語る。「AMPに対応した広告体験の提供をはじめるのであれば、新しいアセットを作成して、クリエイティブチームにAMPページへの対応を依頼する必要があり、それに見合うだけのスケールがなければ無駄骨に終わるはずだ。その点をまずしっかりと心得ておく必要がある。パブリッシャー側での導入が進むにつれて、メディアエージェンシーもこれに注目するようになり、広告制作チームに対して、自分たちのリーチやパフォーマンスの目標を超える可能性を秘めた広告を求めることになるだろう」。

表示の速い広告でも邪魔になる

多くの市場において、データを大量に消費する広告は、モバイル広告でブロッカーが使われる理由のひとつとして挙げられる。調査会社エンダーズ・アナリシス(Enders Analysis)によると、人々のモバイルデータの79%が、ニュースサイトの広告に使われているという。メディアエージェンシー、ゼニス・オプティメディア(Zenith Optimedia)で最高デジタル責任者を務めるステファン・バーデガ氏は、「広告コンテンツのダウンロードでモバイル通信のデータ容量を使い果たしてしまいたいとは思う人はいない。だから、ファイルサイズの縮小は、最終的には、アドブロッカーの導入率を下げることにつながるはずだ」と言う。

より軽量で表示の速い広告は、消費者の好みに合う広告を作る闘いの一部ではあるが、それはあくまでも一部に過ぎない。世界的広告代理店AKQAのエグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターであるウェイン・ディーキン氏は、そのように警告する。

「現実を直視しよう。アドブロッカーの台頭は、我々のオーディエンスが広告に関心を持っていないことを裏付けているだけのことだ。だから広告に注目してもらいたいのなら、素早く表示されるものにすべきだ。それができないのなら、広告のことなど忘れてしまえ。表示速度の面で邪魔になる上にくだらない広告など、何の意味があるというのだろうか」。

動画は手付かずのまま

動画は、広告主の投資が増加している分野だが、Googleにはまだ動画版のAMP広告がない。はじめのうち、エージェンシーはAMPをバナー広告にしか利用できないかもしれず、それではまるで「四角い広告の時代に戻った」ような気分になると、エッセンスのプーク氏は言う。表示の速い広告が広告主側の理解を得るには、その焦点を動画にも向ける必要があるだろう。

「エージェンシーは、速く配信できてページ読み込みが遅くならず、しかも動画のようにリッチな体験を提供できるところまで行こうとしている。小さいファイルサイズで動画を配信する、それが次の波になるだろう。それは夢だ」。

Jessica Davies(原文 / 訳:ガリレオ)