アクセンチュア、AI主導のプログラマティック動画広告を推進

総合コンサルティング企業アクセンチュア(Accenture)内のエージェンシー部門、アクセンチュア・インタラクティブ(Accenture Interactive)は、人工知能(以下、AI)を活用した事業の展開を目指す。パブリッシャーやブランド向けに売り込んでいる新たな製品は、ストリーミング動画コンテンツ上に、AIを使ってプロダクトプレイスメントを自動的に重ねるというものだ。

その仕組みを具体的な例で説明しよう。オンラインのストリーミングサービスで配信される動画広告に、飛んでいる航空機が映っている。この動画を米国にいるユーザーが視聴する際には、航空機にデルタ航空(Delta Air Lines)のロゴが入り、フランスにいるユーザーが視聴するとエールフランス(Air France)のロゴが入る。

アクセンチュア・インタラクティブの研究開発ユニットでマネージングディレクターを務めるアレックス・ナレッシ氏は、このソフトウェアは機械学習を利用して、人間の視覚の学習とシミュレーションを実行すると話す。この機械学習では、特定領域のAIにより、大きなデータセットのなかからパターンを探し出して意思決定を行う。この方法で、視線追跡のシミュレーションを実行して、ある動画に対するアテンションヒートマップを自動的に作成。視聴者が何に注意を向けているかを判断し、対応する場所にリアルタイムで製品を表示すると、ナレッシ氏は説明する。

さまざまなメリット

ナレッシ氏は、このプラットフォームはさらに、自動の意味解析と人間の洞察や判断を組み合わせ、ブランドセーフティや文脈的関連性を保つと語る。

アクセンチュア・インタラクティブはこの広告フォーマットをカンヌライオンズで発表したが、これをテストしたブランドやパブリッシャーはまだない。また、特許が審理中であることから、クライアントへの課金方法も決まっていない。

ナレッシ氏は、この動画ソリューションはアドブロックの影響を受けない「中断されることのないネイティブなインベントリー(在庫)」になると考えている。

調査会社の見方

調査会社フォレスター・リサーチ(Forrester Research)の上級アナリストであるブランドン・パーセル氏は、このソリューションを直接見たことはないとしながら、米DIGIDAYの説明を基に、AIの活用方法としては多くの企業が真っ先に進出しようとするチャットボットよりも良さそうだと述べる。

「このソリューションは非常に興味深い。性別やジオロケーションだけでなく、行動に基づいて、個人に見せるコンテンツをダイナミックに変更できるからだ」と、パーセル氏は評価する。「こうしたアプローチはほかのマーケティング分野、たとえば電子メールや、店舗内でのダイナミックディスプレイ広告への応用も可能だ。現在のAIアルゴリズムの多くはオープンソースになっているので、真の差別化に向けての決め手となるのは、企業が機械を訓練するのに使用するデータだ。アクセンチュアが人間の視線の動きに関する独自データを有しているとしたら、これは非常に強力な武器になるだろう」。

Yuyu Chen(原文 / 訳:ガリレオ)